第四十四回秋の茶会

月  平成十六年十月二十四日,八事山興正寺「松林庵」において,恒例の"秋の茶会"が開催されました。部員の心掛けの良さからか,当日は晴天に恵まれました。興正寺のお庭は,紅葉にはまだ早いようですが木々や燈篭の風情がとても美しいです。学生の頃は,全く有難味を感じなかったですが…。不思議ですね。

 さて,本席です。私は最終の第五席,OBだけの席で正客を務めさせていただきました。
 床は松尾流十二代・葆光斎宗匠筆「月」に,尾関宗匠他二名の先生方が合筆した珍しいものです。
 今回は山路棚のお点前でした。道具組みは,今回初使用の鳴海織部の水指に,葆光斎宗匠好みの松唐草雪吹,葆光斎宗匠の茶杓・銘「玉兎」,主茶碗は八事窯の黒茶碗です。
 亭主は,志津野部長でした。部長としての最後のお点前です。努力家の彼らしい,三年間の集大成とも言うべきお点前でした。
 お菓子は,初使用の栗萩。名前のとおり栗の入ったお萩で,秋を感じさせるお菓子です。

 続いて点心席です。すべて部員手作りの点心は,魚も卵も上手く焼かれ,野菜も上手く調理されていました。目新しいところではご飯を稲荷にしているところでしょうか。海老しんじょと湯葉の入った汁は見た目も美しく,とても美味でした。今年も夜遅くまで力を合わせて作ったのしょうね。

 席の最後は,ここ数年恒例になった部長の引継ぎです。現部長の引退の挨拶と,新部長の決意が語られました。
 三年生の皆さんお疲れ様でした。新執行学年の皆さん,少人数ですが頑張って部を盛り上げてください。

 さて,全体の感想ですが,最終席ということもあり少し気が抜けていたのでは。普段しないようなミスが出ていましたね。手早く片付けることも大事かもしれませんが,お客が帰る際の最後の見送り,挨拶まで気を抜かないことが大切です。




山路棚に鳴海織部の水指

        本席


          葆光斎外寄書 月の字

花   入      手付籠

          秋草

風   炉      棗形

          霰

  風炉先     常什

栗萩 山路棚

水   指      鳴海織部 末広形

茶   器      葆光斎好 松唐草 雪吹

茶   杓      葆光斎形 銘 玉兎

茶   碗      八事窯 黒

  建水       棒の先

  蓋置       青釉七宝つなぎ

菓   子      両口屋是清製 栗萩

          銘々


        点心席


          紅葉遊鹿


点心   汁


寄付   点心席


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