第四十五回 秋の茶会

寄付  平成17年10月23日、八事山興正寺「松林庵」において恒例の「秋の茶会」が開催されました。「楽只忌」と同日です。当日は秋晴れ、とは残念ながらなりませんでしたが、まずまずの天気です。
 寄付は二年振りに大きな囲炉裏のある小部屋でした。数日前から肌寒い日が続いていたので、囲炉裏の火を囲みながら席入りを待つという演出はありがたいです。

 庭はまだ紅葉には早いようでした。いよいよ本席です。床は大心老師筆の「山呼万歳声」(やまはよぶばんぜいのこえ)でした。お点前はこの季節に相応しい長板一つ飾りです。長板一つ飾りとは、風炉の名残の時期に好んで行われる点前で、長板の中央に風炉を据え、細水指を勝手付に置いて行います。そのうちの一つ、楽只の点前でした。亭主は現役最後の点前、鈴木部長でした。二年からの入部とは思えない、安定感のある落ち着いた点前でした。お菓子の「稲塚」は初めて使うお菓子でしたが、秋らしい色合いの食べやすいお菓子でした。お運びは正直まだまだ気になる所がありましたが、一生懸命さが伝わってきました。山呼万歳声

 点心は毎回の事ながら、すべて部員が力を合わせた手作りです。特に目を引いたのが、鮪と烏賊をオクラで和えたもの(カルパッチョ風?)。変わっていましたが美味しかったですよ。ご飯は秋らしい栗ご飯です。豆腐の味噌汁も辛子がきいて美味でした。ただ、汁物等、熱いものは熱く出せたらなお良いと思います。

 席の最後に,ここ数年では恒例になった部長の引継ぎも行われました。新部長はかなりの男前です。だいぶ緊張しているようでしたが、もっと力を抜いていいと思いますよ。

 鈴木部長、お疲れ様でした。これからもバックアップよろしくお願いします。新部長、これから大変だと思いますが頑張ってください。


         寄付


          不染斎筆 栗の絵


        本席


          大心老師筆 五字一行 山呼万歳声

花   入      菊籠

          秋草 菓子・稲塚

風   炉      半古斎好 残月

          仰止斎好 松の絵

  風炉先     常什

長板一つ飾

水   指      オランダ写 細

茶   器      松唐草棗
お点前
茶   杓      葆光斎形 銘 刈田

茶   碗      黄瀬戸    春二作

  建水       唐銅 棒の先

  蓋置       青釉つくね

菓   子      両口屋是清製 稲塚

          銘々





        点心席


          華堂筆 紅葉に雀


 道具組   点心


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