第四十八回 秋の茶会





 平成20年10月12日、八事山興正寺「竹翠亭」において、恒例の「秋の茶会」が開催されました。


 以前あった広大な竹薮は、大部分が切り開かれていました。その切り開かれた空き地を抜けて、今回の会場「竹翠亭」に向かいます。

 興正寺の庭は、しばらく見ないうちにガラリと雰囲気を変えていました。

 広大な枯山水に噴水、長大な渡り廊下…。凄いの一言です。
 莫大な金額が動いているんでしょう。


 興正寺 枯山水      枯山水2

 興正寺 渡り廊下      受付


 気を取り直して席入りします。

 今回は第一席に入らせていただきました。同席は、OB数名と南山の学生さん達です。
 寄付には不染斎宗匠筆の栗の絵が掛けられていました。


 本席に案内されます。
 軸は大心老子筆の「露堂々(ろどうどう)」。真理をありありと露呈している様をいいます。
 「明歴々露堂々(めいれきれき ろどうどう)」と使うことが多いです。明らかな上に明らか、何一つ隠していない、ということでしょうか。

 菊籠(鶴首籠)には、純白の秋明菊が可憐に活けられていました。以前にも書きましたが、秋明菊はキク科ではなく、キンポウゲ科の植物です。

 今回は好古斎好みの二重棚、山路棚のお点前です。

 鳴海織部の水指に、高村表恵作の稲穂蒔絵雪吹、葆光斎宗匠の茶杓、銘「稲塚」、主茶碗は津島焼の赤茶碗です。

 亭主は現役最後の点前、西田部長です。落ち着いた丁寧なお点前でした。

 お菓子は両口屋是清製の「むら雀」。豊作を祝う雀踊りの折笠に因んだ可愛らしいお菓子です。薄くのばした皮に、小倉餡が包んであります。

 露堂々   席中   お点前

 菓子 むら雀      席中

 続いて点心席です。床は、実知先生筆の扇面、「清風」の字。

 点心はもちろん部員の手作りです。

 大きめな焼魚が中京らしくていいですね。さつま芋を炊き込んだご飯、椀盛のしんじょも美味しかったです。

 すっかり恒例になった部長の引継ぎも行われました。

 清風      点心

 次期部長の分部君、大学生活のもっとも忙しい時期に部長職を務めるのは大変だと思いますが、その反面、きっと得られるものも多いと思います。

 西田君をはじめ、引退した皆さん、お疲れ様でした。引退後も引き続き部を盛り上げてください。



         寄付


          不染斎筆 栗の絵


        本席


          大心老子筆 三字一行 露堂々

花   入      好古斎好 菊籠

          秋明菊

風 炉 釜      唐銅鬼面切合

  風炉先     常什

          好古斎好 山路棚

水   指      鳴海織部 末広型

茶   器      黒 一閑 雪吹 稲穂蒔絵 表恵作

茶   杓      葆光斎作 銘 稲塚

茶   碗      津島焼 赤

  建水       古瀬戸 エフゴ

  蓋置       万古焼 青釉 七宝つなぎ 瑞山作

菓   子      むら雀    両口屋是清製

          銘々





        点心席


          浄照院筆 扇面 清風の字



 寄付      本席 道具組










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