第四十九回 秋の茶会





 平成21年10月25日、八事山興正寺「竹翠亭」において、恒例の「秋の茶会」が開催されました。

 生憎、秋晴れとはいかず、終日曇天模様でしたが、境内を吹き抜ける風はすっかり秋めいていました。

 興正寺 風景      竹翠亭を見下ろす

 席次      松林庵前の庭


 今回、最終の第5席、OB中心の席に入れていただきました。

 受付で席次と懐紙、パンフレットを受け取ります。今回の席次も凝っていて、とても可愛らしいです。女子部員が増えると、こういった細かい部分が行き届いて良いですね。

 寄付は、改装された旧・松林庵。贅沢な席の使い方です。軸は、南天坊の月の画賛。


 いよいよ本席です。
 軸は不染斎宗匠筆の「野菊淡秋心(のぎくしゅうしんあわし)」。
 山菊やホトトギス、薄等の秋草が、竹友斎作の宗全籠に活けられていました。

 今回は桐小卓のお点前です。桐小卓は他流にもありますが、松尾流では流祖・楽只斎の好みになります。

 織部の水指に、井伊大老好みの萩に雁蒔絵の中次、葆光斎宗匠の茶杓、銘「秋の山」、主茶碗は八事窯の黒茶碗で、銘「紅葉狩り」。

 亭主は分部部長が自ら務められていました。男らしい、風格のあるお点前でした。

 お菓子は両口屋是清製の「仙家の友」。以前も書きましたが、仙家の友とは菊の異名です。

 席の様子      道具組み

 菓子 仙家の友      点心

 続いて点心席です。床は、無文老師筆「喫茶去」。

 点心は部員が苦心して手作りしたものです。

 銀杏や茸の炊きこみご飯や、紅葉麩や季節の野菜の煮付が色鮮やかで、美味でした。味噌汁も美味だったのですが、最初から、里芋の上の辛子が落ちてしまって、底の方が辛くなりすぎてしまったのが残念でした。

 最後に部長の引継ぎも行われました。

 新部長さんは久々の女性部長です。1、2年生は女子ばかりで、華やかな雰囲気ですが、男子のいない大変さもあると思います。

 力を合わせて乗り切ってください。3,4年生もバックアップをお願いします。

 そういえば、次回で秋の茶会は50回の節目ですね。何か、趣向を凝らしてやってみたいですね。

 夜の興正寺      ライトアップされた庭

 さて、5席目終了後、部員全員をお客にして幻の第6席が始まりました。

 もてなすのはOB数名。

 亭主を私、半東を青木、お運びや水屋、受付を田島先輩、志津野、他、今年卒業の面々でしました。

 久々に学生にかえったようで楽しかったです。
 即興にしては上手くいったのではないでしょうか?

 6席目が終わるころ、周囲は既に暗くなっていました。
 ライトアップされた庭が、昼間とはまた違った美しさでした。



         寄付


          南天坊筆 月の画賛


        本席


          不染斎筆 野菊淡秋心

花   入      宗全籠          竹友斎作

          秋草

風 炉 釜      唐銅鬼面切合

  風炉先     常什

          桐小卓

水   指      織部

茶   器      井伊大老好 萩に雁蒔絵  中次

茶   杓      葆光斎作 銘 秋の山

茶   碗      八事窯 黒 銘 紅葉狩り

  建水       唐銅 エフゴ

  蓋置       オランダ土産

菓   子      仙家の友    きよめ餅製

          鼠志野 銘々





        点心席


          無文老師筆 喫茶去



        点心席の集いしOB










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