第五十回 秋の茶会





 平成22年11月7日、八事山興正寺において、記念すべき第50回秋の茶会が開催されました。

 お祝いの花輪   寄付の軸

 50回記念ということで、茶道部創立以来初めての試みとして、OBによる協賛席を設けることにしました。
 声をかけたところ、沖縄から手伝いに来てくれる人もおり、計12名の有志が集まってくれました。

 席の流れは、本席(薄茶)→点心席→協賛席(薄茶)と、通常と同じ料金で薄茶席が2席あり、お得感を狙ってみました。

 協賛席の道具はほぼ私物で賄い、学生や先生にはなるべく迷惑をかけないように心掛けました。
 茶室は、現役部員が竹翠亭、OB席は想耕庵を使いました。

 今回、私は協賛席に専念し、お客として席には入らなかったため、本席や点心席の感想は書けませんので、本席については大まかに記しておきます。
 本席の軸は、お祝いの席に相応しい山呼万歳声。お点前は皆具のお点前です。
 茶杓の銘は「まさり草」、菊の異名です。
 お菓子の銘は「尾花」、こちらはススキのこと。秋らしい道具組です。
 お茶碗は、八事窯で「金風」の銘があります。



 本席の道具組み   菓子 尾花




 点心席の後、協賛席です。お足のしびれたお客様のため、椅子席も用意しました。
 席と席の間に余裕があったので、ゆったりとした席の進行になりました。

 本席は5席でしたが、OB席は最初に予備席、さらに最後に学生全員を入れて席を設けたので、計7席。
 そのうち点前を3回、半東を4回しました。

 今回の軸は、現在の松尾流の家元の「秋」の一字に、師匠が添え書きをしたもの。
 母校を長年ご指導いただいている師匠の筆がどうしても欲しかったので使用しました。

 花はオランダ製のジンボトルにキキョウやリンドウ、吾亦紅等の名残の花を活けてみました。
 このジンボトルは、幕末位にジンを入れて輸入されたもの。アムステルダムの刻印があります。

 本席が皆具を使う点前だったので、こちらは二重棚にしました。
 飛青磁の水指とともに、なかなか格調高いものになったと思います。

 棚と茶器は流祖の好み。
 茶杓は9代家元の半古斎。節の二つある面白い形をしています。

 茶碗の作者の浅尾宗筌は昭和の初期に活躍した土風炉師。飲み口がはっきりした赤楽です。

 菓子は、本席、点心席と続いた後なので、軽めに干菓子にしました。



 引退したOB達が、お運びや水屋をどれ位できるかという不安もありましたが、皆学生の時基本をしっかり学んでいるので、すぐに感覚を取り戻していたようです。

 皆、久し振りに「もてなす側」を楽しんでいたようで、OB席のもうひとつの狙いである「OBに学生気分に戻って楽しんでもらう」ということも成功したと思います。

協賛席 道具組み




         寄付


          妙玄斎筆 二字横物
             静楽の字


        本席


          大心老師筆 山呼万歳声

花   入      竹 手桶

          秋明菊

風 炉 釜      唐銅 琉球 切合

  風炉先     常什

長板飾

皆具         染付 竹の絵

茶   器      葆光斎好 松唐草紋 面中次

茶   杓      不染斎作 銘 まさり草

茶   碗      八事窯 赤 三釉紋
                銘 金風    道年作
          黄瀬戸 

菓   子      尾花    きよめ餅製

          銘々


        協賛席


          妙玄斎筆 秋の字 横物 四季四本の内
                添書 楽分庵筆 天青雁一行

花   入      オランダ土産 壷

          秋草

風 炉       鉄 道安

          仰止斎好 松の画     松寿作

  風炉先      常什

          楽只斎好 格挟間 不染斎在判 同箱  春次作

水指         飛青磁

茶   器      楽只斎好 木賊蒔絵面中次

茶   杓      半古斎作 銘 白菊    筒箱共

茶   碗      深草焼 赤   浅尾宗筌作

           犬山焼      尾関作十郎作  

 建水         砂張写      湯浅華暁作        

 蓋置         七宝透      加賀瑞山作  

菓   子      生砂糖 紅葉
            干錦玉 茸     甘春堂製

          糸目盆       辻石斎作


 協賛席   干菓子






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