名古屋テレビ塔 清涼茶会 2003

尾関宗般宗匠筆 一雨

 本年も8月8日から10日までの3日間,名古屋栄テレビ塔で,恒例の「名古屋テレビ塔 清涼茶会」が開催されました。この通称「テレビ塔茶会」は,元々は愛知大学茶道部の主催で始まった茶会ですが,現在は他の松尾流茶道部「紫親会」(名古屋大学茶道部,金城学院大学茶道部,中京大学文化会茶道部)よって開催されています。


 さて,今年のTV塔茶会は初日から台風が直撃という不運に見舞われました。通常は展望バルコンという地上100メートルの場所が会場となるのですが,悪天候時は3階のタワーレストランが会場となります。私は実際にスタッフとして参加していた学生時代から10年連続でTV塔茶会を訪れていますが,これ程天候に恵まれなかったのは今年が初めてかもしれません。

 台風10号の通過した8月9日(土),私はTV塔を訪れました。雨はすっかり止んでいるとはいえ,まだ台風の余波で風は強く,会場は3階のタワーレストランでした。「地上100メートル」というこの茶会の目玉が無いことは非常に残念でしたが,3階の会場も眺めが良く,広いのでスタッフが動きやすそうでした。元々お茶会には不似合なレストランは,スタッフの努力によって簾や竹等で装飾され,なかなか趣深い雰囲気に演出されています。苦心して作られたらしい壁床には,今回の天候を見越してのことでしょうか,尾関宗般宗匠筆の色紙「一雨」が掛けられていました。

南鐐の平水指が涼しげです  今回の道具組みで一際目を引いたのが南鐐の平水指でした。昨年のクリスタルガラスとはまた違った趣で,引き締まった印象を与えていました。
 お菓子は「水外郎(みずういろう)」で,ガラスの銘々の上でこれまた涼しげでした。切りやすく,和菓子に慣れていない人でも食べやすい点も良かったと思います。

 屋内の会場は,席が強風にさらされることもなく,亭主さんも安定したお点前ができていたようでした。風に邪魔されず,練習したことを全て出し切ることができて良かったですね。スタッフの浴衣姿も美しく,今年も目の保養になりました。

 最後になりましたが,お足下の悪い中多数の御来席をいただきましてまことにありがとうございます。スタッフに代わりまして御礼申し上げます。

     浴衣姿も美しかったです      お点前


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