第二十七回若竹茶会

江上数峰青  平成16年5月23日,「若竹」という名に相応しい好季節,八事山興正寺「松林庵」において第27回若竹茶会が開催されました。天気予報が見事に外れ,午前中からポツポツと降り始めた雨は,午後になって本格的になってきました。しかし足下の悪い中,70人近いお客様がご来席くださいました。

 私は第六席目に入らせていただきました。席に向かう途中,雨に濡れた新緑が清々しく,心が洗われるようでした。席中には雨音のBGMが微かに響き,何とも言えず風情があります。

 道具組みは,若竹茶会の定番,染付竹の絵皆具等で,席の雰囲気を引き締めています。
 床の「江上数峰青」(こうじょうすうほうあおし)は,「(曲が終わり,外に出てみると人影は見えず)ただ,大河の向こうに峰々が青くそびえている」という様子を表現しており,5〜7月ころに相応しい軸です。唐代の詩人・銭起の詩からきています。
 お菓子の「若楓」は,「谷川」に似た涼しげなお菓子で,食感も楽しくとても美味しかったです。

 亭主は新二年生のH庄君でした。以前彼のお点前を見た時は,まだ覚えたてのぎこちないお点前だったのですが,今回は皆具のお点前がスムーズに出来ていました。最近まで一年生だったとは思えない程です。

 部長も,受付や寄付,水屋間をよく動いて上手く連絡を取っていました。「どれだけ知識があるかではなくて,どれだけ茶道が好きか」という彼のモットー通り,部内は上手くまとまっているようですね。三年生女子二人の力も大きいのでしょう。
 新入部員の人も,入部間もないながら一生懸命動いている姿がとても爽やかで,好印象でした。

 全体的に見て,特に文句の付ける所が無い,素晴らしい茶会であったと思います。雨の中のお茶会もなかなかいいものですね。


        寄付


雨の境内           高野派管長密門大僧正賛 三宝鳥画


        本席


          大心老師筆 江上数峰青

花   入      琉球籠

          鉄仙

風   炉      棗形

          霰

  風炉先     常什

皆具 染付竹の絵 長板皆具飾

  皆具       染付竹の絵

  火箸       長呂木頭

茶   器      黒中棗 市松蒔絵

茶   杓      葆光斎形 銘 ほととぎす

茶   碗      津島焼 赤

菓   子      両口屋是清製 若楓

          銘々


     若楓        寄付


余計な一言

・薄茶だけのお茶会だと回転が速く,寄付が混み合います。前席の人の手荷物等は,席入りの際に受付で預かると寄付が整然としますし,お客にとっても安心感があります。


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