七月二日,八事山興正寺「松林庵」において恒例の若竹茶会が開催されました。
雨上がりの興正寺の庭は美しく,清々しい気分で席入りしました。同席はOBの懐かしい面々です。
受付には,足を負傷した部長が痛々しく座っていました。
本席の軸は大心老師筆・瀧の一字。豪快な文字が降り注ぐ瀧の飛沫を思わせます。それを受ける茶杓に,尾関宗匠作の茶杓・岩陰。茶器に鵜飼蒔絵の金輪寺と「水」に因んだ道具組みです。
お菓子はきよめ餅製の「観世水」。その名の通り,流水の紋様を表したお菓子で,見た目も食感も涼しげです。
お点前は新二年生でしたが,かなり緊張しているようでした。十名以上のOBに囲まれているのですから無理もないですが。
お運びは,寄付も含めてまだまだ練習不足の感が否めませんでした。お菓子やお茶碗を出す時は,しっかり相手を見て出さないと,誰に出すのか伝わらないことがあります。
意外に,お点前よりもお運びの方が,上手い下手が目立つものです。お運びの上手いと,その席が締まって見えますよ。
さて,若竹茶会も今回で29回。来年は記念すべき30回です。OBも協力し,節目に相応しいお茶会を目指したいものです。
本席
床 大心老師筆 瀧 一字
花 入 琉球土産 手付籠
花 季のもの
風 炉 棗形
釜 小庵好 霰地紋
風炉先 常什
棚 好古斎好 山道
水 指 ドイツ土産 青釉
茶 器 井伊大老好 撫子に鵜飼蒔絵 金輪寺
茶 杓 楽分庵作 銘 岩陰
茶 碗 瀬戸唐津 皮鯨
建 水 唐銅棒の先 利弥作
蓋 置 波越焼 オランダ写
菓 子 両口屋是清製 観世水
器 銘々