第三十回若竹茶会



城山八幡宮

 六月十六日,城山八幡宮「洗心軒」において,三十回の節目となる若竹茶会が開催されました。

 梅雨入りしたにもかかわらず,眩しいほどの晴天に恵まれました。
 中京大学茶道部にとって久々の城山での茶会ということで,洗心軒について少し記載します。
 洗心軒は,名古屋の有力な豪商,高松定一家の別邸で,近代を代表する数寄者・益田鈍翁も滞在しました。その建設には,松尾流9代の半古斎宗匠が携わっていることから,松尾流とも所縁のある建物といえます。

 私は第三席に入らせていただきました。同席は,代でいえば一桁代の大先輩,私の2,3代上の先輩方,顧問の安村先生,他大の茶道部の方と,かなりの人数でした。


 寄付は2階の広間で,床には淡川康一筆・牧童の絵賛が掛けられていました。故淡川康一先生は,立命館大学,大阪学院大学の教授を歴任した経済学博士で,禅画の研究や著書,そして自らも禅画の大家として知られています。

 本席は,9畳の広間・招月庵でした。点心席等でよく使った席です。洗心軒のメインともいえる7畳の松月亭でなくて残念でしたが,3席目が13人もの大所帯で,9畳でも一杯だったことからこの席で正解でしょう。

 大先輩達をさしおいて,正客をさせてせていただきました。床は,葆光斎宗匠の力強い一行「松竹青々緑欲流(しょうちくせいせいとしてみどりながれんとほっす)」です。


 お菓子は,きよめ餅製の「枇杷の実」。瑞々しさが,本物の枇杷のようでした。
 今回のお点前は,紹鴎好みの二重棚を用いました。亭主さんは,大勢のお客の前にもかかわらず,とても落ち着いたお点前でした。
牧童の絵賛  風炉釜は,最近新調したもので,お茶会では初使用です。水指はドイツ土産,茶器は蒟醤(きんま)塗りと,国際色豊かな道具組みでした。

 現役学生にとっては,初めて使用する洗心軒でのお茶会で,勝手が違い,戸惑うことも多かったと思いますが,少人数で協力し合い,好感のもてる接客だったと思います。同席の先輩方も,久し振りの洗心軒でのお茶会を心から喜んでいました。ありがとうございました。
 名城線環状化で便利になったと改めて感じた一日でした。






   

        寄付


             淡川康一筆 牧童の絵賛 牛子無牧童

   

        本席


             葆光斎筆 松竹青々緑欲流 

松竹青々緑欲流(しょうちくせいせいとしてみどりながれんとほっす)    花   入      手付 琉球籠

             季のもの

   風 炉 釜      唐銅 切合

             紹鴎好 二重

   水   指      ドイツ土産 青釉

   茶   器      蒟醤

   茶   杓      葆光斎作 銘 清流

   茶   碗      刷毛目

   建   水      古瀬戸 エフゴ

   蓋   置      唐銅 三ツ人形

   菓   子      きよめ餅製 枇杷の実

             銘々


   枇杷の実  本席


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