第三十一回若竹茶会

八事山興正寺五重塔



 緑ますます深まる六月十五日,八事山興正寺において,恒例の若竹茶会が開催されました。

 今年は,興正寺のシンボルともいえる国重要文化財の五重塔が,完成200年記念の年になるそうです。

 当日は午後から雨との予報でしたが,なんとか終日薄曇りの状態を維持していました。

 お茶室の工事がまだ終わっていないため、昨年の秋同様、興正寺の奥書院でのお茶会でした。


 私は第四席に入らせていただきました。同席は,茶道部OBが大部分を占め,一桁代の大先輩,私の2,3代上の先輩方,他大の茶道部の方と,かなりの人数でした。

 今年の席次はかなり凝っていて,箱の中に,第何席か書かれた小さな巻物が入っていました。

 寄付の床には,渡辺清(周渓)の雨中蓮の画が掛けられていました。渡辺清は,江戸時代後期,名古屋を代表する大和絵画家です。

雨中蓮  寄付で気になったことは,飲み終わった湯飲みはいつまでも置いていないで下げてしまった方が良いと思います。誰に白湯を出したかわからなくなるからかもしれませんが,それはお運びや受付の人が連携して把握していればよいことだと思います。湯飲み放置しておくと,邪魔になったり,粗相の原因になったりします。お運びの練習はもっと必要ですね。

 いよいよ本席です。軸は,大心老子筆の力強い一行「清風万里」。
 お点前は丸卓です。独逸土産の水指に,茶器は井伊大老好の撫子に鵜飼蒔絵の金林寺が用いられました。

 お菓子は,きよめ餅製の「青梅」。瑞々しく実った梅のように爽やかなお菓子でした。

 亭主は部長さん自らされ,落ち着いたお点前でした。

 今回,嬉しいことに新入部員が沢山入ったそうです。お運び等は不慣れで,まだまだ練習が必要だと思いますが,初々しく一生懸命な様子に好感が持てました。

 また,今回で現部長さんが役を退くということです。残念なことですが,学業等忙しい時期,苦渋の決断だったと思います。本当にお疲れ様でした。


 新部長さんを筆頭に,新入部員を引っ張っていって下さい。ありがとうございました。







   

        寄付


             渡辺 清筆 雨中蓮の絵賛 大心老子筆 清風万里

   

        本席


             大心老子筆 清風万里 

   花   入      唐物 手付

             鉄仙

   風 炉 釜      唐銅 鬼面切合

             利休好 丸卓

   水   指      ドイツ土産 青釉

   茶   器      伊大老好 撫子に鵜飼蒔絵 金林寺

   茶   杓      葆光斎作 銘 氷室

   茶   碗      絵唐津 松の絵

   建   水      唐銅 エフゴ

   蓋   置      青交趾写 七宝つなぎ

   菓   子      きよめ餅製 青梅

             銘々


   席次    本席





   青梅    お点前


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