第三十二回若竹茶会



 梅雨真っ只中の六月二十一日、八事山興正寺の新しい茶室「竹翠亭」において、恒例の若竹茶会が開催されました。

 当日は朝から雨。私が興正寺に向かうころ、霧のような雨が境内を濡らしていました。

 竹翠亭へと向かう歩道も前回は工事中でしたが、綺麗に植林されたり、庭石が整えられ、歩くのが楽しくなるような景観でした。


 竹翠亭へ向かう道      竹翠亭へ向かう道2

 竹翠亭の庭は、枯山水や噴水等が美しく、昔の興正寺しか知らない人はきっと驚くでしょう。

 実際、一年振りに興正寺に来たOBは、あまりの変わりように吃驚していました。

 一般で行くと、拝観料500円(お茶付き)が必要なようです。今回の若竹茶会は呈茶料が600円ですから、かなりお得といえるでしょう。


 竹林      席次

 私は第三席に入らせていただきました。同席は、全員茶道部OBでした。

 今回の席次もなかなか凝っていて、開くと竹の絵が出てくる趣向でした。


 寄付でのお運びは一年生らしく、とても初々しかったです。お客に汲み出しを出す際、座る位置に気を付けると、何度もお盆を動かしたり、にじったりする必要がなくなると思います。


 いよいよ本席です。軸は、大心老子筆の一行「厳前水嶺上雲」。花は鉄仙でした。
 今回は皆具のお点前でした。九谷焼の竹の絵の皆具に、茶器は琉球土産の草花蒔絵の中棗が用いられました。

 お菓子は、きよめ餅製の「谷川」。谷川というと不俊斎宗匠のお好みですが、緑色の皮のものは不染斎宗匠のお好みだそうです。

 亭主は二年生のKさんでしたが、落ち着いていて、とても所作が美しかったです。よく練習をされているなと感じました。

 本席のお運びも一年生ということでしたが、初めての茶会で緊張しているのが伝わってきました。
 まだまだ練習が必要だと思いますが、一生懸命な様子に好感が持てました。
 ある程度スピーディーに、お茶を冷めない状態で運べるといいですね。点て出しのお湯を入れるタイミング等、他の水屋の人との連携も必要だと思います。

 本席を終えると、ありがたいことに雨が上がっていました。部員の皆さんの心掛けの良さのあらわれでしょうか?


 谷川      皆具





   

        寄付


             興正寺什物

   

        本席


             大心老子筆 厳前水嶺上雲 

   花   入      宗全籠

             鉄仙

   風 炉 釜      唐銅 鬼面切合

      風 炉 先      興正寺什物

     長板飾

   皆   具      九谷焼 染付写 竹の絵

   茶   器      琉球土産 草花蒔絵 中棗

   茶   杓      葆光斎作 銘 姫百合

   茶   碗      瀬戸唐津 皮鯨

   菓   子      きよめ餅製 谷川

             鉢


   本席 床前にて    集いしOB





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