新入部員のための茶道用語

基本用語

点前(てまえ):茶を点てる作法。

茶事(ちゃじ):正式な茶会のことで,少数の特定の人を招いて行われる。いろいろな様式があるが,正午の茶事が最も形式がととのい,標準となる。

宗匠(そうしょう):家元ならびにその流派を代表するような師匠の尊称。

会記(かいき):茶会の次第や道具類を記したもの。

亭主(ていしゅ):本来,茶事の主催者を言う。茶事では自ら点前をするが,大寄せの茶会(大人数の客を招く茶会)では席主として挨拶に出るだけのことが多い。学生の茶会においては点前をする人と考えてよい。

半東(はんとう):亭主の補佐役。東とは亭主を意味している。

正客(しょうきゃく):茶会における主客。

次客(じきゃく):正客に次ぐ客。以下,三客,四客…末客と続く。

末客(まっきゃく):連客のうち最後の客のこと。詰(つめ)とも言う。

水屋(みずや):点前の準備をする場所を言い,主に茶室に隣接する場所に設けられる。

寄付(よりつき):待合とも言い,茶会で連客が待ち合わせる場所。また席の開始を待つ場所。

基本用語 道具編

(かま):湯を沸かす金属鋳造の製品で,現在はほとんど鋳鉄製。「釜開き」とか「釜を懸ける」とか言うように,茶の湯の象徴ともいえる。

風炉(ふろ):火を置いて釜をかけるための器。現在では5月より10月まで用いる。

(ろ):囲炉裏の略語で火を置き釜をかける。現在はほとんど一尺四寸(約42.4cm)。11月から4月まで用いる。

水指(みずさし):釜に補給する水や,茶碗や茶筅等をすすぐ水を貯めておく器。

茶筅(ちゃせん):茶を点てる竹製の道具。

茶杓(ちゃしゃく):茶入や薄茶器の中から抹茶をすくって茶碗に移すさじ。竹材が多いが,象牙,木地,塗物,べっこう等もある。

(なつめ):薄茶器の一種。棗というクロウメモドキ科の植物の実に形が似ているのでこう呼ぶ。

茶入(ちゃいれ):濃茶を入れて点前に用いる陶製の小壷。通常,象牙の蓋を伴い,仕覆を着せて用いる。

仕覆(しふく):主に茶入を入れる袋。

柄杓(ひしゃく):水や湯をすくう竹製の道具。昔は釜に合わせて作ったが,今は各流儀によって,一定した物を炉,風炉の区別で用いることが多い。切止(杓の尖端)の切り方で炉用,風炉用を区別する。炉用は皮目の方を斜めに切り,風炉用は身の方を斜めに切る。炉風炉兼用は真っ直ぐ切る。

蓋置(ふたおき):釜の蓋を置いたり,柄杓を引いたりするのに用いる。初めは台子皆具のひとつとして唐銅のものであったが,後に独立して個々に用いられるようになり,陶磁製や竹製のものが生まれた。

建水(けんすい):「こぼし」と通称されるように,席中で茶碗をすすいだ湯水を捨てる器物。元々は台子皆具の一つで唐銅の類であったが,後に独立し,さらにやきもの,曲物等ができた。

茶巾(ちゃきん):茶碗を拭き清めるための布。利休百首のなかにも「水と湯と 茶筅茶巾に 箸楊枝 柄杓と心 あたらしきよし」とあるように清浄を尊ぶ。

帛紗(ふくさ):使い帛紗と出し帛紗がある。使い帛紗は茶道具を拭き清めるのに用い,帛紗を腰に着けている事は亭主側の標識でもある。出し帛紗は主に織物で,濃茶を点てた際に添えて出す。なお,松尾流では古帛紗(約15.2cm角の小さい出し帛紗)は用いない。

水注(みずつぎ):席中の水指に水を補給する器。片口(円筒形で,注ぎ口と横手,胴の部分と同質の盛蓋が付いたもの。木地曲,塗,陶磁器がある)とやかん(金属製で注ぎ口と上手が付いたもの)がある。

戻る