平成19年10月14日、八事山興正寺奥書院において、恒例の「秋の茶会」が開催されました。当日の天気予報は雨でしたが、何とか曇天のまま一日持ちこたえました。
現在、興正寺のお茶室「松林庵」が改装中のため、今回の会場は興正寺の奥にあるお茶室でした。長年、興正寺に出入りしていた私も入ったことのない部屋で、貴重な経験をさせていただきました。
私は、本日最後の席に入らせていただきました。同席は、ここ数年の卒業生達です。寄付は不染斎宗匠筆の栗の絵でした。
いよいよ本席です。軸は不染斎宗匠筆の「野菊淡秋心」(のぎくしゅうしんあわし)、菊籠に生けられた秋草が可憐でした。
お点前は長板一つ飾りです。長板一つ飾りについては、第45回秋の茶会を参照して下さい。亭主は現役最後の点前、伊藤部長でした。案内等のセリフをかみつつも、男性らしい落ち着いた点前をしていました。
お菓子は「仙家の友」。仙家の友とは、菊の異名です。黄色いぎゅうひの皮が、菊の花弁を表しています。
続いて点心席です。床は、尾関師の色紙、秋菊清旦香。点心は部員の手作りです。栗ご飯やつくね等、とても美味しかったです。汁物も熱い状態で運ばれてきました。ただ、呈茶券代の価格設定の割に、一寸シンプルすぎた気がします。 恒例の部長の引継ぎも行われました。次期部長は、久々の女性です。プレッシャー等もあると思いますが、あまり力みすぎずに頑張ってください。楽しむことが一番です。
伊藤部長、引退した皆さん、お疲れ様でした。引退後もバックアップをよろしくお願いします。
寄付
床 不染斎筆 栗の絵
本席
床 不染斎筆 五字一行 野菊淡秋心
花 入 菊籠
花 秋草
風 炉 釜 唐銅鬼面切合
風炉先 常什
長板一つ飾
水 指 砥部焼 細
茶 器 琉球土産 菊蒔絵 中棗
茶 杓 宗泰作 銘 蓬莱 箱筒共
茶 碗 黒 香楽作
建水 エフゴ
蓋置 常滑焼 つくね
菓 子 仙家の友 きよめ餅製
器 雲錦模様鉢
点心席
床 楽分庵筆 色紙 秋菊清旦香